環境省は2016年、「国立公園満喫プロジェクト」を始動させ、20年には全国34カ所の国立公園で「訪日外国人利用者1千万人」の達成を目指しています。同省国立公園課の熊倉基之課長は「国立公園を魅力あるエリアに磨き上げ、多くの利用者を呼び込んで、自然の素晴らしさを満喫していただきたい」と意気込みます。
魅力向上に向け、国立公園に残された「負の遺産」を処理する施策が動き出しました。景観を台無しにする廃屋の撤去によるリフォームです。熊倉さんは「十和田八幡平(はちまんたい)国立公園」の八幡平見返(みかえり)峠(岩手県)を例に挙げます。
八幡平はアスピーテ(盾状火山)が特徴で、1956年に国立公園になりました。69年、岩手県が見晴らしのよい場所にレストハウスを建設しました。88年に地元自治体に委譲し、90年からは地元観光協会に再譲渡。老朽化の末、2003年に閉鎖されました。廃屋は18年、環境省から半額補助を受けた地元自治体が1億2千万円かけて撤去し、国内外の利用者が納得できる景観が回復されました。
宿泊施設など、こうした廃屋に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル